陰嚢がはれた、痛みがある
- 陰嚢が痛い、陰嚢が腫れてきた、陰嚢の病気の疑いがある場合はどうすればいいのでしょうか?
- そもそも陰嚢の疾患とは?
- 陰嚢の痛みや腫れで考えられる病気とは?
- 陰嚢の疾患の検査・診断方法 ・陰嚢の疾患の治療方法は?
- 陰嚢の痛みや腫れ、陰嚢の疾患でお悩みの方は当院へご来院ください
陰嚢が痛い、陰嚢が腫れてきた、陰嚢の病気の疑いがある場合はどうすればいいのでしょうか?
陰嚢(いんのう)の痛みや腫れは、特に男性にとって不安を感じる症状の一つです。陰嚢内には、精巣や精巣上体、精索といった重要な器官が含まれており、これらの疾患が発生すると、早急な対応が必要な場合があります。例えば、精巣捻転は、緊急の外科的処置が求められる代表的な疾患で、発症から6時間以内に治療しなければ、精巣が壊死してしまう危険があります。痛みが突然現れた場合や、急激に陰嚢が腫れてきた場合には、放置せずすぐに医師に相談してください。判断に迷う場合でも、専門医に早めに相談することで、将来的な合併症や不妊を予防することが可能です。
また、腫れが無痛である場合でも、精巣腫瘍の可能性があります。このような症状は、早期発見が予後を大きく左右するため、速やかな受診が大切です。
そもそも陰嚢の疾患とは?
陰嚢は男性の外部生殖器であり、精巣や精巣上体を保護し、体温調節を担っています。この陰嚢に発生する疾患は多岐にわたりますが、主に以下のような症状が現れます:
- 急激な痛み:特に急性の痛みを伴う疾患は緊急性が高い場合が多く、精巣捻転や感染症(精巣上体炎など)が原因となります。
- 腫れ:痛みがなくても腫れが見られる場合は、精巣腫瘍や陰嚢水腫などの疾患が考えられます。
これらの疾患は、年齢や生活習慣によって異なる傾向が見られます。たとえば、小児では停留精巣や鼠径ヘルニアが多く、若年成人では精巣腫瘍が多発します。一方、中高年男性では精索静脈瘤や陰嚢水腫がよく見られます。
陰嚢の痛みや腫れで考えられる病気
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精巣捻転(精索捻転)
精巣が捻じれて血流が遮断される状態です。急激な激痛が特徴で、迅速な手術が必要です。治療が遅れると、精巣が壊死し機能を失う危険があります。特に思春期の男性に多く発生します。 -
精巣上体炎
精巣の後ろに位置する精巣上体が炎症を起こす疾患です。細菌感染が主な原因で、発熱や強い痛みを伴います。精巣捻転と症状が類似しているため、正確な診断が重要です。 -
精巣腫瘍
無痛性の陰嚢の腫れが特徴で、初期症状として腫瘍が精巣内に形成されます。腫れやしこりがある場合は、早期発見が重要です。特に若年成人に多く発生します。 -
精巣付属器捻転
精巣付属器(精巣垂など)が捻じれて痛みを引き起こす状態です。精巣捻転と比べて緊急性は低いですが、治療が必要です。 -
陰嚢水腫
陰嚢内に液体が溜まる疾患で、痛みを伴わないことが多いですが、腫れが徐々に進行します。成人ではほとんどが非交通性で、自然に治ることは少ないため、手術を要することもあります。 -
精索静脈瘤
精巣からの静脈が拡張し、陰嚢内に瘤を形成する状態です。特に左側に多く、立位や力んだときに痛みや不快感が増します。精子形成に影響を与えることがあるため、手術が必要な場合もあります。
陰嚢の疾患の検査・診断方法
陰嚢の疾患を正確に診断するためには、いくつかの検査が有効です。
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問診と視診
症状がいつから始まったか、痛みや腫れの進行具合、日常生活での影響などを丁寧に確認します。特に、急激な痛みの有無や腫れの大きさ、発熱の有無などが診断の手がかりとなります。 -
超音波検査
陰嚢内の状態を非侵襲的に確認する方法です。精巣や精巣上体、血流の異常を調べることができ、精巣捻転の診断には特に有用です。血流の途絶や低下が確認された場合、捻転が疑われます。また、精巣腫瘍や陰嚢水腫も確認できます。 -
尿検査
感染症による陰嚢痛(精巣上体炎など)の診断には尿検査が有効です。細菌の有無や膿尿の確認が行われます。 -
血液検査
感染症や腫瘍の有無を確認するために行います。特に腫瘍が疑われる場合には、腫瘍マーカーの測定が行われます。
陰嚢の疾患の治療方法
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手術療法
精巣捻転の場合は、緊急手術が必要です。発症から6時間以内に血流を再開しないと、精巣が壊死に陥る可能性が高いため、早急な処置が求められます。精巣腫瘍も、精巣摘除術(高位精巣摘除術)が早期に診断的目的と治療目的を兼ねて施行します。早期の外科的処置が予後を大きく左右します。 -
抗菌薬治療
精巣上体炎や精巣炎などの感染症が原因の場合、抗菌薬の投与が有効です。感染が進行する前に適切な治療を行うことで、重症化を防ぎます。 -
対症療法
痛みや腫れが軽度であったり、病気の進行が遅い場合には、安静や消炎鎮痛剤の使用が有効です。特に精巣付属器捻転や陰嚢水腫では、自然治癒や症状の緩和を図るための対症療法が行われることがあります。 -
穿刺・排液
陰嚢水腫や精液瘤の場合、液体が溜まって陰嚢が腫れている場合には、穿刺して排液することで一時的に症状が改善します。しかし、再発することが多いため、根治治療には手術が必要な場合があります。
陰嚢の痛みや腫れ、陰嚢の疾患でお悩みの方は当院へご来院ください
陰嚢の痛みや腫れは、放置すると重篤な結果を招くことがあります。特に、急性陰嚢症や精巣捻転、精巣腫瘍のように、緊急の対応が必要な疾患は迅速な診断と治療が不可欠です。当院では、泌尿器科専門医の院長が、正確な診断を行っています。痛みや腫れが気になる方は、ぜひお早めに当院へご相談ください。