尖形コンジローマ
- ①尖圭コンジローマが起きる原因
- ②尖圭コンジローマと鑑別を要する類似疾患
- ③尖圭コンジローマで施行すべき検査・診断方法
- ④尖圭コンジローマの治療
- ⑤尖圭コンジローマの再発リスク
- ⑥尖圭コンジローマでお悩みの方は当院へご来院ください
①尖圭コンジローマがおきる原因
尖圭コンジローマは、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)による性感染症で、特にHPV6型および11型が原因です。これらは低リスク型に分類されますが、まれに高リスク型HPV(16型、18型、31型、33型など)が検出される場合もあります。高リスク型は子宮頸癌や外陰癌などの発症リスクを高めることが知られています。
感染は性的接触によって広がり、潜伏期間は2~3カ月程度です。発症すると外陰部や肛門周囲に鶏冠状(とさかの形)やカリフラワー状の疣贅(いぼ)が生じます。
②尖圭コンジローマと鑑別を要する類似疾患
尖圭コンジローマと類似または鑑別が必要な疾患として、以下のものがあります→当院には皮膚科がないため、必要に応じて皮膚科紹介します
- 真珠様陰茎小丘疹:陰茎冠状溝に左右対称に列序性で見られる正常な状態。
- ボーエン様丘疹症:HPV関連の皮膚疾患で多発する小丘疹。
- 外陰部ボーエン病:前がん病変。
- 伝染性軟属腫:ウイルスによる感染症で真珠状の丘疹を形成。
- 梅毒初期硬結および扁平コンジローマ:梅毒感染の一症状。
③尖圭コンジローマで施行すべき検査および診断方法
尖圭コンジローマの診断は以下の方法で行います:
-
視診
疣贅(いぼ)の形態、色、大きさを確認します。典型的には外陰部や肛門周囲に鶏冠状またはカリフラワー状の疣贅が見られます。 -
病理検査
確定診断が必要な場合、病変部を切除・生検して顕微鏡で確認します(治療的な意義もあります)。 -
性感染症検査
尖圭コンジローマ単独で罹患するのみではなく、梅毒、尿道炎、B型肝炎、C型肝炎、HIV感染症を伴うこともあり併せて検査を行うこともあります。
④尖圭コンジローマの治療
尖圭コンジローマの治療は、患者さんの症状や病状に応じて以下の方法を組み合わせて行います。
(1) 外用療法
-
イミキモドクリーム(ベセルナクリーム5%)→→当院では施行しています
隔日で塗布し、6~10時間後に洗い流します。16週間まで継続が可能で、治癒率は約60~70%です。局所免疫を高める作用があり、副作用として皮膚の発赤が見られることがあります。
(2) 物理療法
- 凍結療法
液体窒素を用いて疣贅を壊死させます。週1回行い、治療を繰り返します。→当院では施行していません - レーザー蒸散術
再発例や大きな疣贅に使用されます。局所麻酔を施し、炭酸ガスレーザーやホルミウムレーザーで疣贅を蒸散します。術後の痛みが少なく、治癒も早いのが特徴です。→当院では施行していません
-
当院での手術方法:
当院では、陰茎や陰嚢部に発生した腫瘍(例:尖圭コンジローマ)に対して、**局所麻酔による日帰り手術(切除+電気凝固)**を行っています。
-
診療・手術の流れ
初診当日に手術はできません。
診察後に内容をご説明し、同意書をいただいたうえで、別日に手術を予約して実施します。
手術時間は約15~30分で、
術後は1〜2週間後に経過観察を行います。(出血や痛み、再発の可能性もあるため、適切な術後管理が必要です。)
- 重要:亀頭部に発生したコンジローマの手術には対応しておりません。必要に応じて、専門の医療機関をご紹介いたします。初診による診察と紹介状の発行は可能です
⑤尖圭コンジローマの再発リスク
尖圭コンジローマは再発率が25-40%以上と高く、治療後も再発防止のためのフォローアップが必要です。
⑥尖圭コンジローマでお悩みの方はご相談にのります
尖圭コンジローマについて心配な場合、泌尿器科専門医の診察と適切な検査を受けることをお勧めします。東青梅診療所に一度ご相談ください。
